神戸で離婚問題、遺産相続問題、刑事事件などに取り組む弁護士のブログ 親子の縁を切るとは

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神戸で遺産相続問題に取り組む弁護士のブログ 親子の縁を切るとは

2020/06/26

親子の縁を切るってどういうこと

さて、神戸も梅雨入りし、じめじめした毎日が続いています

4月に申立てた調停については期日調整が始まっていたりするものもあるのですが、5月に申立てた分については、未だ、裁判所からは何の連絡もありません。

神戸地裁では、双方電話会議という裁判所に行かなくてもよい手続きで期日を設けているようなのですが、次回の期日指定が9月になったものもあります

まだまだ、本調子というわけにはいかないのですね

遺産相続問題に関する相談で、「親子の縁を切りたい」という相談を受けることがあります

親が重大な刑事事件を起こしてしまったり、多額の借金を肩代わりさせられた、結婚後親子の折り合いが悪くなった、親が過干渉で自分をコントロールしようとしてくるなど、事情は様々です。

「親子の縁」というものは、そもそも法律用語ではないこと、かつ、抽象的であることから、相談者が何を聞きたいのか、しっかりと話を聞く必要があります

子どもが犯罪を繰り返すのでもう二度と子どもと関わりたくない、子どもが借金を繰り返して御金を無心してくる、結婚後、子どもとの折り合いが悪くなったので、自分の財産を相続させたくない、由緒ある名字を不義理な息子には使わせたくない、親が自分たち夫婦に対して干渉しすぎてくるので関係を切りたい等、本当に様々です

では、これらの問題は、弁護士が入って解決すべき問題なのでしょうか

基本的には、この「親子の縁」というものについては、弁護士が介入して何かできることは少ないのではないかと思います

例えば、成人になった子供が犯罪を犯しても、責任を取るのは本人で親ではありません(損害賠償を支払う必要もありません)

親の借金=子供の借金というわけでもないので、連帯保証人にでもならない限りは、親の借金を子どもが支払う必要がありません(まあ、それでも連帯保証人になってしまう親は多いのでしょうが)。親が亡くなった時に、しっかり相続放棄の手続さえ取れば、親の借金を引き継ぐことはありません

親が過干渉で自分をコントロールしようとしてくるのであれば、成人になった後、別居して親と連絡を取らなければ大丈夫です(連絡を取らなければならない法的義務はありません)。

名字を強引に変更させることは法律的には不可能です

以上のとおり、弁護士が入って法律的にどうこうするというよりも、本人の意思次第というところがほとんどではないでしょうか。ただ、なんとなくですが、法律的には、親子であることを理由に、強い不利益を強制させられるということはなさそうですね(人によっては遺留分のところが強い不利益だというかもしれないですが)。

ただ、(養子縁組でもない限り)「今日から、あなたとあなたを法律的に親子とはみなしません」という条文はありません。そのため、どんなに疎遠になっていても、扶養義務はありますし、相続権も残ります(相続開始後に放棄はできますが)。そういった意味では、法律的には、親子の縁を切ることはできないのかもしれません。

まあ、そもそもが感情的なところが大きい問題なので、法律的に説明しようとするほうが無粋かもしれないですね

弁護士として積極的に協力できるところがあるとすれば、遺言書を作成し、なるべく、縁を切りたいと思った子供に遺産がいかないようにすることくらいかもしれないですね

遺産相続問題でお悩みの方は、神戸三宮で活動する当弁護士事務所にぜひご相談ください。

 

 

 

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