神戸で遺産相続問題に取り組む弁護士のブログ 孫への贈与は遺産相続に影響するのか
2020/12/04
さて、今日は、孫に対する贈与が遺産相続に影響を及ぼすかどうかについて説明させていただきたいと思います
おじいちゃん・おばあちゃんが孫に対して、教育資金などとして、多額のお金を生前贈与することは珍しくありません
相続についての法律相談を受けていると、この孫に対する贈与に対する不満を聞くことがよくあります
私の子どもは大学に進学していないので、教育資金の贈与をもらっていない
兄の子どもだけ、車の運転免許取得代とか、いろんなお金をいっぱい出してもらっている
こうした贈与も加味してもらわなければ、不平等だという内容の相談が多いかと思います
原則として、法相続人に対してなされた教育資金や住宅ローンなど多額の贈与は、「特別受益」というものに該当し、遺産分割に反映されることとなります
例えば、Aさんに、XYの二人の子どもがいたとします。
Aさんは、住宅ローンの頭金に充ててもらうために、Xさんに1000万円の生前贈与をした
Aさんは、亡くなるときに3000万円の財産を残した。
Aさんの遺産を、亡くなるときに残した3000万円、生前贈与した1000万円を遺産にもどしたことにして(「持ち戻し」といいます。)、4000万円として計算することになります
そして、遺産をXさん1000万円(生前贈与して既に1000万円もらっている)、Yさん2000万円に分配することになります
では、AさんがXさんの子に1000万円を渡していた場合はどうなるのでしょうか。
仮に、この1000万円が特別受益に該当するとなると、遺産を5000万として計算し、Xさんは、500万(2500万円−2000万円)を相続し、Yさんは2500万円を相続することになります。
結論として、実質的には孫ではなくXに対する贈与であったというような場合でなければ、孫に対する贈与は、相続人に対する贈与ではないことから、特別受益には該当せず、遺産分割には影響を及ぼさないでしょう。
なんか難しいですね
リライト神戸法律事務所では、遺産相続問題に力を入れて取り組んでいます
お悩みの方は、是非、ご相談ください。